2207 素朴なギモン!?なぜ治療は一度にできないの?
- 院長コラム
むし歯や歯周病は、じわじわと時間をかけて進行します。痛みなどの症状が出て「歯医者に行かないと!」と思われた時には、すでに発症から何年も経過していて病状が悪化しているケースも多く見られます。
ここ近年、歯科治療においてMI(ミニマムインターベーション)という、できるだけ歯を削らずにむし歯を治す「MI治療」が行われるようになってきました。「MI治療」のメリットは、「可能な限り自分の歯を残せる」ということ。そして「健康な歯の状態をできるだけ長く保てる」ということがあげられます。
その反面、神経に近いむし歯などの場合は経過を観察しながら慎重に治療を進めますので一度で治療を終わらせることはできません。また、たとえむし歯が1本だけでも嚙み合わせや隣り合う歯の状態を見ながらお口全体のバランスを考えて処置をしていきます。少しずつ微妙な調整をしながら治療を進めるため、自然と通院回数が増えてしまいます。
誰もが忙しい現代社会の中で、歯の治療に何度も通うのは大変ですが、後で痛みが出てやり直しということになると、帰って治療が長引いてしまいます。焦らず根気よく治しましょう。
歯をなるべく削らないMI治療の一例
①むし歯部分を最小限削り、むし歯を少し残します。
②特殊な薬剤を詰めて一週間程度、経過を観察します。
③コンポジットレジン(自然な歯の色に近い特殊な樹脂)を詰め、修復します。
④むし歯の一部が自身の治癒能力で再石灰化(元に戻る)します。