No.1607「キシリトールのむし歯予防効果」
- 院長コラム
むし歯菌は甘いものが大好き。なのに、なぜ砂糖と同じくらい甘いキシリトールがむし歯予防に役立つのでしょう。
キシリトールは、白樺や樫などに含まれる天然の甘味成分、キシラン・ヘミセルロースに水素を加えて化学反応を起こした「糖アルコール」と呼ばれるもの。ミュータンス菌に代表されるむし歯菌は糖を分解して酸を発生させますが、キシリトールはむし歯菌が分解できない独特の構造なので、酸を発生させることができずに、むし歯菌が少なくなっていきます。
キシリトールの爽快感のある甘味は唾液の分泌を増やす効果もあり、しかも、唾液中のカルシウムと結びついて、「キシリトール・カルシウム」という形になり、エナメル質の再石灰化を促すという効果もあります。ミュータンス菌が多い人、むし歯になりやすい人、唾液の少ない人、ストレスの多い人はぜひ試して下さい。
キシリトールを口の中に長時間とどめておけるという意味では、ガムがベター。ミュータンス菌を減らしたい人は食事をとった直後に、唾液を増やしたい人は食前にかみましょう。
かみ方のポイントは、最初に出る唾液はのみ込まず、2分間を目安にためて、口の中でぐるぐる回すこと。これはミュータンス菌にまんべんなくキシリトールを行き渡らせるためです。
2分間、唾液をためるのが難しい人は、最低でも5~10分間はかみ続けましょう。毎食後、2週間キシリトールガムを使用すると、むし歯菌が少なくなっていきます。
スーパーやコンビニで売られている商品は、歯科医院で売られているものに対して配合されているキシリトールの量が少なくなっています。また、むし歯の原因となる砂糖や水あめが入っているものもあり、逆効果になることもあります。
かかりつけの歯科医院で100%キシリトールガムについて聞いてみてはいかがでしょうか。