No.1407「誰でも多少は感じている入れ歯の違和感」
- 院長コラム
入れ歯はいくら高価なものでも、あるいはどんな名医が入れたものでも、自分の歯と同じようにはいきません。特に入れたばかりのうちは、口の中の異物感に悩まされるほか、いろいろとトラブルも起こりがちです。ことに総入れ歯など、床のついた入れ歯の場合は、歯茎や粘膜が痛むといったトラブルが多いようです。口の中に異物を入れるのですから、入れ歯を入れた直後には違和感があるのは当然です。あまり神経質にならずに、慣れるのを待つことです。
しかし、あまりに痛いときには入れ歯の床が歯肉の形に合っていないことも考えられます。特にどこか1カ所が痛むときには、そこの歯肉に入れ歯の床があたっていると思われます。がまんせず、歯科医に見せたほうがよいでしょう。そのうち慣れるだろうと、あまりがまんしていると、その箇所が擦れて赤くなったり、ときには腫瘍ができてしまうことがあります。
入れ歯のかみ合わせが悪い場合も、歯科医に調整してもらいましょう。合わない入れ歯を長い間使っていると、あごの関節に負担がかかり、顎関節症になったりすることもあります。
総入れ歯や、取り外しのできる入れ歯の場合には、入れ歯が外れやすいトラブルがよくあります。ことに総入れ歯は、支えになるものが歯肉だけですから、入れ歯の床と歯肉がぴったり合っていないと外れやすくなります。
大きく口を開けると外れる、ものをかんでいるときに外れるといった、いろいろなケースがありますが、いずれにしても歯科医にみてもらって、調整する必要があります。
総入れ歯は、最初は大なり小なり違和感があります。少しがまんして、なるべく外さないようにしましょう。食事のときだけはめるというのでは、慣れるのが遅くなってしまいます。最初は、やわらかいものから、だんだんとかたいものを食べるようにするとよいでしょう。