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VOL.42「フッ素ってなに?どうして歯にいいの?」

  • 院長コラム

子どもたちの萌出した直後の歯は、まだエナメル質の結晶構造(ハイドロキシ・アパタイト)が完全ではありません。歯が萌出したあと、唾液中のカルシウムイオンが不完全な部分に取り込まれて、エナメル質が強くなっていくのです。フッ素を歯の表面に塗ると、カルシウムの代わりにフッ素がエナメル質の結晶の不完全な部分に早く取り込まれて、早期にエナメル質を強くすることができます。また、初期に虫歯におかされた白濁部(エナメル質の結晶がこわれかかった部分)にもフッ素が取り込まれ、ふたたび硬くして虫歯の進行を阻止します。
フッ素は自然界にある元素の1つで、お茶などに微量に含まれているものです。歯や骨をつくるために欠かせない役割を果たしており、虫歯予防にも高い効果を発揮します。現在、日本で販売されているハミガキ剤の約90%はフッ素が配合されています。また歯科医院などでは、フッ素を使った洗口や塗布を受けられます。
ちなみに、アメリカやオーストラリアなどでは、水道水にフッ素を添加して、日常的に摂取できる工夫をしています。

■お子さんに
お子さんのフッ素塗布は大変重要です。歯が虫歯菌に侵されやすい未成熟な状態なので、フッ素を定期的に塗ることで強い歯を作りましょう。

■妊娠中の方に
母から子へ口移しで食べ物を与えることは、同時に母親の口の中の菌も子供に移すことになります。妊娠中からフッ素などで虫歯菌を減らしましょう。

■ミドルエイジに
一般的に歯周病がもっとも進行しやすい年代です。歯と歯の間にすき間があいて、プラークが溜まり虫歯ができやすくなります。フッ素で予防しましょう。

■シルバーエイジに
歯ぐきがやせてきて、歯の根元のセメント質が露出しやすくなります。ここは大変虫歯になりやすいので、フッ素で強化しておくことが特に大切です。

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