Vol.20 「~全身の健康と口の中の健康とのかかわり~」
- 院長コラム
歯が健康な人は体も健康でしょうか?
健康は、その人のもって生まれた体質に左右される部分が大きく、歯もまた例外ではありません。
しかし、体質だけでその人の健康状態が決まるわけではありません。ある意味では体質以上に健康を左右するのが生活習慣なのです。
生活習慣というのは、まずまんべんなく栄養がとれているか、一日三回規則正しく食べているか、ゆっくり楽しく食事を楽しんでいるか、といった食習慣の問題に始まり、酒は度を過ごしていないか、タバコを吸っていないか、睡眠時間は足りているか、適度な運動をしているか、ストレスの少ない環境であるかどうか、などの生活習慣の問題、そして、ストレスをうまく発散させる方法をもっているか、といった心理面での問題など、毎日の生活を取り巻くいろいろな要素の総合です。
それらの要素が合格点に近い人なら、生まれつき多少病弱でも、健康状態はその人なりに悪くないはずですし、逆にもともとは健康優良児に選ばれたほどの体質の人でも、生活の乱れが病的な状態を招いている例も、周囲にはたくさんいらっしゃいます。
ここで、じょうぶな歯というのも、健康な生活を送るうえでの重要な要素に加えましょう。
ものがきちんとかめないということは、体のエネルギー源として入ってくる食物を、まずその第一関門で拒絶してしまうわけです。健康な歯は間違いなく全身の健康に重要な意味をもちます。
では、全身の健康は、歯の健康にどう関係してくるのでしょうか。全身的な病気、たとえば糖尿病や心臓病、動脈硬化といった生活習慣病が、歯の病因となりやすいことはご存知の方も多いでしょう。栄養の偏りや過労なども歯の健康に響きます。喫煙の習慣もいけません。
体質と生活習慣がもたらす体の不調は、虫歯や歯周病をつくりやすく、また、すでにかかってしまった病気の悪化を速めます。
ストレスもまた全身的な病気の引き金となり、歯や口の中の病気のきっかけにもなります。
そして、口の臭いなどが大きなストレスとなって健康を害するといった悪循環にも陥りがちです。
歯の健康と全身の健康は、切っても切れない関係にあることを、ぜひ知っていただきたいと思います。